舞台は19世紀のヨーロッパ。ビクター(声ジョニー・デップ)は音楽を愛し草花や蝶をめでるやさしい青年。彼の両親は強引に政略結婚を進め今日はそのリハーサル。お相手は落ちぶれた名家の娘で、新婦の両親は財産目的で面識のないビクターに娘のビクトリア(声エミリー・ワトソン)を押し付けようとしていた。
親同士の強引な結婚だったが、初めて会った両者は相手の優しさを瞬時に感じ取り、恋に落ちる。が、緊張のあまりリビクターはハーサルでトチリを連発。司祭に怒られ落ち込んだ彼は人気の無い墓地で誓いの言葉の練習を繰り返した。が偶然にもそこには結婚への未練を残し死んだ花嫁が眠っており、現世に蘇った死骸(Corpse)の花嫁(声ヘレナ・ボナム=カーター)はビクターを新郎として死者の世界へと連れて帰ってしまうのだが…


ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 」の原案・製作のティム・バートンが再びストップ・モーション・アニメーションを手がけた、家族向けファンタジー・ミュージカル。「ナイトメアー…」は「ハロウィーン+クリスマス」がコンセプトで、今回は「ハロウィーン+結婚式」とでも言う感じか?
最近続けてティム・バートンで痛い目に会っている自分は、ちょっとチープな感じのする予告編 を見て実はあまり期待していなかったのですが、どっこい腰を抜かすほど良く出来た仕上がりに良い意味で期待を裏切られてびっくり。


よく練られたストーリー、過不足無く切り込まれた編集、統一の取れた美術の作り込みや巧みな造形の人形とそのアニメーションの技巧、そしてため息の出るような美しいシネマトグラフィー。映画の要素要素
それぞれの完成度の高さに「おたくの味方、ティム・バートンが帰ってきた」と無邪気に喜びたくなりました。


民生デジタル・カメラ+民生レンズで撮影され Final Cut Pro で編集されたという本作品、「ナイトメア…」から10+年を経ているせいもあって、テクニカルな精度向上にも目を見張るものがありました。アニメーションと言えば、ニック・パークのウォレスとグルミットの新作「Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit 」も公開が近く、こちらもとっても楽しみだったりします。


邦題は「ティム・バートンのコープスブライド」となる予定だそうで(配給が WB だから例によって時差なし公開かな?)、日本公開示のリアクションがどんな風になるのか、興味津々で見守りたいと思ったのでした。


IMDb: Corpse Bride
Official Site: Warner Bros

CorpseBride