東欧で巨大な地下洞窟が発見された。巨体な地底湖により外界から完全に分離された先はまったくの未知の世界だった。最新の機材を持ち込み経験を積んだエキスパート達が洞窟の探検を始める。しかし落盤により入り口は塞がれてしまい、地底数キロから生還を模索した決死の冒険が始まるのだが…


大作リリースの隙間を縫うように、ひっそり公開された、洞窟アドベンチャー・ホラー。自分の無知のせいもあって、役者に知っている名前と顔は見当たらず。

地下洞窟の探索、というと、「かわぐちひろし探検隊」的な色物の臭いが直ちに漂うわけですが、本作品はそのマンマ B 級路線をまっしぐら。別段、特殊な造形の怪物を出して人を襲わせなくても、閉所恐怖症の人間を泣かせるような演出やら、極限におかれた集団の人間模様を描くとか、高尚な模索の手段はいろいろあると思うのですが、その手の A 級への色目は一切無く、「おいら B 級でもいいもんね」、という割り切りはなかなかすがすがしい。


巨大人食いコウモリ風の怪物に襲われ右往左往するグループ、というエイリアン風プロットになってからは、ドッカン系のショッカー演出とSFX に頼りつつラストへと奔走。パワーで押し切る体育会系のノリは嫌いじゃないですが、ちょっと荒っぽく雑さも残ってたかなぁ。


洞窟内の"怪物"の造形、その視覚効果、がこの映画の最大の売りだと思うのですが、+アルファでもう少しそれらしさを加えてもよかったんじゃないかなぁ。深海魚的なデザインとか、大きさとか、動きとか、色(普通
光りの無い所だと真っ白か透明でしょ?)、オリジナリティを加えるとずっと良くなったと思うんですが。
あと、あんな大型で活発に動く動物があんなにワサワサ沸いてでてきてましたが、普段は何食ってるんだろ? と疑問に思いました。地下水脈を通じてお魚が流れてくるのかしらん??

まーこの手にリアリティを追求してもしょうがないんですが、台詞の端っこにそれらしい説明を入れるとか、嘘をうまく付いてくれるとこっちももう少し乗れると思うんですけど。


ラストの引っ掛けに「まさかこの出来で続編作ろうって色目じゃないだろうな?」と突っ込みを入れたくなったりした観劇となりましたが、この手が好きな向きにはまずまず良いんじゃないでしょうか?


IMDb: The Cave
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