病院受付など複数のアルバイトを掛け持ちしながら、デザインの勉強を続けるチャーリー(ジェニファー・ロペズ )は、バイトで犬の散歩をさせている際にハンサムな青年に出会う。街に引っ越してきたばかりという好青年のケビンは、チャーリーに一目ぼれ。みるみる間に二人の仲は急接近する。

ある日、ケビンはチャーリーを連れて母親の実家に遊びに行く。大邸宅に住むのは、最近引退したばかりの超有名女流ジャーナリストのヴァイオラ(ジェーン・フォンダ)。大好きな一人息子が彼女に熱を上げているのが気に入らないヴァイオラは、あの手この手で二人の仲を引き裂こうと画策をこらすのだが…


Legally Blonde 」(邦題 キューティー・ブロンド) で、リース・ウィザースプーン をスターダムに押し上げ、「Win a Date with Tad Hamilton! 」でケイト・ボスワース の魅力を引き出したロバート・ルケティック監督の魔法は健在なようで、「Shall We ダンス?」のリメーク でも低空飛行だったジェニファー・ロペス嬢が生き生きと輝く舞台を作り上げていました。ライバルの姑役を演じるジェーン・フォンダもいい感じ。ジェイ・ローチ監督の「Meet the Fockers 」でのバーバラ・ストライザンドの復活は散々でしたが、こちらは対照的に見事な仕立ての出来。そういえば、嫁姑のイザカイって日本では極めてありふれた題材ですが、アメリカでは「奥様は魔女 」のダーリンとエンドラの関係のように嫁の母親と婿がうまくいかないってのが良く取り上げられる題材。←「奥様は魔女」のリメーク 、3 バージョン目の予告編が劇場でかかってますが、監督はなんと"あの"ノーラ・エフロン。楽しみっ!


映画の中には「サンフランシスコ=ゲイの街」など、日本人にはややなじみの薄い設定もちらほら散見されましたが、いつもの癖でつい皿をプロフェッショナルに運んでしまう医者のギャグとか、思わずお腹をかかえてゲラゲラ笑ってしまいました。(タイトルは義母を意味する Mother-in-Law の引っ掛けですね)


脚本のコアになっているのは、ありふれた設定で、作品の出来を決めるのはどう味付けするか、のアレンジにかかってるわけですが、前述のルケティック監督の細かい配慮の行き届いた演出と、緻密に計算されユル過ぎずキツ過ぎない絶妙な編集が見事に決まり、そのあまりのすごさにため息が出そうになりました。

ともすればイヤラシクなりがちな嫁姑戦争を、どちらにも肩入れせずに絶妙なバランス感覚で笑いに昇華させた監督の手腕に脱帽。この監督は、この先もアイドル映画専任にして、有望な新人女優を主演に使って良質なコメディを量産して欲しいと思ったのでした。


IMDb: Monster-in-Law