スレヴィン(ジョシュ・ハートネット)は運命の悪戯で不幸の真っ只中に居た。都会に住む友人宅に遊びに来たのだが、なぜか友達は不在。その友達を間違われて、街の2大勢力マフィアのボス(モーガン・フリーマン)の元へ連れて行かれる。友人はその筋の危ない所から借金をかさねており、それを大目に見る代わりにライバル組織のボスであるラビの息子を殺すように無理やり命じられる。一方そのラビ(ベン・キングズレー )も彼に接触。今度は借金のかたに逆に相手のボスを殺してくるように命じられる始末。そんな所に、凄腕の殺し屋グットキャット(ブルース・ウィリス)が現れ、おまけに刑事(スタンリー・トゥッチ)が周囲をうろつく、という極めてやっかいな状況に。彼の唯一の味方は近所にすむ女の子リンジー(ルーシー・リュー)のみだっがのだが…


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ジェイソン・スマイロヴィックの脚本を「ホワイト・ライズ 」(原題 Wicker Park)のポール・マクギガン監督が演出した、クライム・スリラー・ドラマ。主演はその「ホワイト・ライズ」でも一緒だったジョシュ君で、上記のように芸達者なベテランが顔を揃える豪華なキャスティング。


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物語を小さなチャンクに分けてパラパラと展開させる作法や、やたらと気の利いた台詞回しなど、現代風のポップな作風で、どことなくユージュアル・サスペクツやパルプ・フィクションを彷彿させられました(脚本家はタランティーノ大好きに間違いない)。

一方で平行展開する細切れが最後に収束していく加減はちょっと単調。今時のスリラーなので、やっぱりどんでん返し、はもちろんあるんですが、カタルシスとして響くまでの出来ではなかったというか。
これだけギミックに満ちた脚本なので、相当の演出の腕がないとちゃんと深みも重さも出ない、という事なのか。全般にちょっと軽くなる過ぎたかも? と思いました。一方 109 分と十分に刈り込んだ編集は、テンポ良くバランスも取れてなかなか見事でした。


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改めて、役者さんの巧さを再確認できたという意味で高めなポイントをあげたくなりますが、まぁ別段映画館で見なくても、と思わなくもなかったです。ジョシュやウィリスのファンなら、という感じでしょうか?


IMDb: Lucky Number Slevin
Official Site: Metro-Goldwyn-Mayer (MGM)

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