カール(マット・ディロン)とモーリー(ケイト・ハドソン)はハワイで挙式を挙げたばかりの新婚カップル。そんな二人の甘い生活に転がり込んできたのは、結婚式で新郎の付添人も勤めたランディ・デュプレ(オーウェン・ウィルソン)。根っからの楽天家で計画性のない彼は、親友カールの結婚式へ出席するために取った休暇が元で会社を首になり、家賃の支払いが滞ったアパートも追い出されてホームレス寸前の状態だった。

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そんな彼を放置できずに、次の仕事が見つかるまで、と数日間の滞在を勧めたカール。しかしダメ人間のランディは真面目に就職活動に取り組むはずもなく、勝手に有料ケーブルTVを申し込んだりして、昼間から家でゴクをつぶす毎日。

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二人だけの新婚生活を邪魔されたモーリーは居候のランディに腹を立てるが、やがて仕事で忙しくすれ違い気味の夫カールに怒りの矛先が向かう。一方のカールは妻モーリーの実の父親であり、勤務先の社長トンプソン氏(マイケル・ダグラス)からの強烈なプレッシャーも手伝って、モーリーがランディとの関係にやっかみを覚え始めるのだが...

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マイク・レジュールの脚本を、「ウェルカム・トゥ・コリンウッド 」 のアンソニー/ジョー・ルッソ兄弟が演出した、新婚家庭+居候の騒動を描くドタバタ・コメディ。


主演は「Wedding Crashers 」で大ヒットを飛ばし、つい先日ピクサーのCGアニメ「カーズ 」の声優でも活躍を見せた、大好調のオーウェン・ウィルソン。この映画は、彼のキャラクターを描く力抜きでは成立しなかったと思うくらいの、巧みな造形力に感服。

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真面目な分、義理のお父さん(=マイケル・ダグラスだもんなぁ)のイジメに振り回される、かわいそうな新婚の旦那役にはマット・ディロン。その妻役でケイト・ハドソン。若い新婚カップルを演じたこの二人、実際には15歳も離れていて、彼女は"小さい頃"「ドラッグストア・カウボーイ 」のディロンに相当入れ込んでたらしい。

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デュプレの珍行動を軸にして、話の展開と共に人間関係のダイナミズムが少しづつ変わっていく所など脚本の基本構成には力を感じました。シネマトグラフィはややコンサバティブですが、コメディ作品にはそこそこあった色を出していて、可も無く不可も無く、という印象。


キャラクター・ドリブンな作品で、健全な基調のプロットにちょっぴり毒が盛られた構成が今風な作りで、うん面白い。一部に発展させきれてないサブ・プロットや(ケイト嬢のキャラクターも書き込みちとが薄い)、演出の力がもう一歩足りずに説得力が無い場面もありますが、自分はこの手が大好きなので、さほど気にならず。役者が画面でのびのび演技しているのがとても気持ちよく、かなり満足した観劇となりました。


エンディング・ロールにも"仕掛け"があるので、最後まで席を立たないよーに。


IMDb: You, Me and Dupree
Official Site: Universal Pictures

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